浴室暖房とは?後付けは可能?設置費用からメリット、選び方、電気代まで詳しくご紹介

冬場など浴室が冷え込むと、気持ち良いはずのお風呂もつらくなってしまいますよね。

暖かい居室から寒い脱衣室と浴室、そして浴室の浴槽のお湯は温かい、という温度差が原因となって、ヒートショックを引き起こしてしまう不安もあります。

そんな冬場のお風呂でも、浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)を設置すれば、ヒートショックを防ぐだけでなく、毎日の入浴や入浴以外でも快適に過ごすことができます。

そこで本記事では、浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)のメリットから、選び方、設置費用、電気代、後付けは可能かどうかまで詳しく解説します。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)とは?

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)は、浴室を暖めるための暖房器具です。

入浴前に暖房機能をONにして浴室を暖めておくことで、快適にお風呂に入れるのはもちろん、ヒートショックの予防に繋がります。ヒートショックについては、次の『浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)のメリット』をご覧ください。

洗い場と、浴槽のお湯の温度差を小さくすることで、寒暖差による身体への負担を減らす効果が期待できます。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)のメリット

浴室暖房を取り付けるメリットをご紹介します。浴室を暖めることで快適なバスタイムを過ごせるのはもちろん、ご自身や家族をヒートショックから守ることにも繋がります。

冬の時期でも浴室が暖かくなる

冬の時期でも浴室が暖かいので、冬場特有の「ヒヤッ」と震えるような寒さを感じなくなります。

冬場のお風呂の厳しい寒さで、入浴が億劫になる人も多いでしょう。また、小さなお子さんやご年配の方がいるご家庭の場合は、洗い場の滞在時間も長くなりがちです。

浴室暖房を設置して寒さを軽減することで、冬場も快適に過ごせます。寒さに震えることなく、ゆっくり、落ち着いて身体を洗えます。

カビの発生を抑えることができる

浴室乾燥機能が搭載されている器具なら、入浴後に乾燥モードで稼働させることにより、浴室を短時間で乾かすため、カビの発生を抑えることができます。

カビは、「①気温20〜30℃ ②湿度70%以上 ③皮脂や汚れがある環境」を好む傾向にあります。浴室はこの3つの条件が満たされてしまうことが多いので、カビが生えやすいのです。

湿度を抑えられれば、カビが生えにくくなり、ひいては日常的な掃除の手間を少なくすることにも繋がるでしょう。

ヒートショックの防止に繋がる

ヒートショックとは、温度差による急激な血圧変動が原因で、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしてしまうことを意味します。

冬場の浴室は、ヒートショックが起こりやすい場所です。衣服を脱いだときに、身体がブルッと震えるのも、ヒートショックの症状のひとつです。

浴室暖房を設置すると、寒い洗い場を暖めることで、浴槽の温かいお湯との温度差を小さくすることができるので、ヒートショックの防止に繋がります。

そのほか、温度差を小さくするためにお湯の温度を低めに設定したり、水分を取ったりすることも、ヒートショックの防止に繋がります。

衣類乾燥もできる

衣類乾燥機能があれば、生乾きなどの心配なく衣類を乾かすことができます。

悪天候や花粉、黄砂などが原因で、外に洗濯物を干せないこともあるでしょう。しかし、部屋干しでは充分に乾かずに、生乾きの嫌なにおいがついてしまうこともありますよね。

衣類乾燥機を使えば、外の環境に関係なく衣類を乾かせます。浴室内で乾燥できるので、洗濯物が外から見えないこともメリットのひとつです。

また、洗濯乾燥機を使って乾かすとシワになりやすい衣服も、ハンガーにかけた上で浴室乾燥機能を使えば、綺麗に乾かすことができるでしょう。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)の選び方

ここからは、浴室暖房の選び方を紹介します。

浴室暖房機とひとことで言っても、様々な種類があります。設置方法や暖め方はもちろん、機能の種類も多岐にわたります。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)の設置方法で選ぶ

最近は「浴室の天井に設置するタイプ」が主流で、天井に開口して器具を天井に固定し設置します。浴室を新調するのと同時に器具を取付された場合は、多くが「浴室の天井に設置するタイプ」です。

交換する際は、既存の機器を取り外し、その開口を利用して取りつけることが多いです。そのため、大がかりな工事が必要にならないケースが多いです。

最近のものでは、換気扇と暖房とが一体になっていますが、換気扇と暖房機とが別体になっているものもあります。

また、「壁面に設置するタイプ」も一般的です。中には換気機能を持たない機種もあり、その場合は屋外へ排気ダクトを貫通させないため、窓の近くの壁面でなくても取付できるなど設置場所の選択肢が広がります。

「浴室の天井に設置するタイプ」と同じように、壁にある換気口を利用して取り付けるため、大がかりな工事が必要にならないケースが多いです。

ただし、浴室の広さや設置する場所によっては、厚みが気になることもあるかもしれません。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)の暖め方の種類で選ぶ

電気ヒーター式は、施工が他のタイプに比べて簡単で、最も普及しているタイプです。電気を熱源とするタイプで、暖め方のイメージはヘアドライヤーのようなものです。標準的な電圧100Vのものと、よりハイパワーな200Vのタイプがあります。

温水式は、ガスや灯油などを熱源にお湯を沸かし、そのお湯を器具に送り温風を出すタイプです。暖房能力の高いものが多く、早く暖まるのが特長です。ただしお湯を作るために専用の給湯器が必要になるため、電気式に比べると初期費用が高額になります。

この他にも電気式の中では、ヒートポンプを用いて温風を出すものなど新しいタイプも登場しています。

浴室暖房の機能で選ぶ

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機能 内容
換気 浴室内の空気を屋外へ排出する機能
暖房 浴室内の空気を暖める機能
衣類乾燥 浴室内で衣服を乾燥することができる機能
浴室乾燥 浴室を乾燥させ、湿度を抑えられる機能
涼風(送風) 涼しい風を送ることができる扇風機のような機能
センサー 人の動きや温度を察知し、自動で適切な運転を行う機能
ミストサウナ 低温、高湿度で身体をじんわりと温める機能
空気浄化やカビ対策など プラズマクラスターやミストなどで、カビ対策をする機能

現在はほとんどの機種で、暖房、衣類乾燥、浴室乾燥、涼風(送風)、換気の機能が搭載されています。これらの機能に加えてさらに機能追加されているものもあります。

特にプラズマクラスターやミストサウナの機能は、付いているものと付いていないものがあります。自分や家族が求めている機能を有している製品を購入しましょう。

  • プラズマクラスター、Plasmaclusterはシャープ株式会社の登録商標です。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)は後付けもできる?工事不要?

浴室換気乾燥暖房機の中には、既設の浴室に対してあとから設置することができるものもあり、浴室丸ごとを交換することなく器具の設置ができます。

また、すでに浴室暖房を持っていて交換を検討している場合も、工事費用が抑えられるかもしれません。次に紹介する『浴室乾燥機(浴室換気乾燥暖房機)の交換・取り付け前の注意点』をご覧ください。

ただし、照明と換気扇の位置や、換気口の場所によっては、浴室暖房の後付けが困難になったり、追加工事が必要になったりする場合もあります。

浴室乾燥機(浴室換気乾燥暖房機)の交換・取り付け前の注意点

浴室暖房乾燥機の交換・取り付け前は、以下の2つのポイントを確認しましょう。

  1. 今お使いの器具と設置されている位置
  2. 分電盤に空きがあるか

1.今お使いの器具と設置されている位置

今お使いの器具が換気扇のみか換気乾燥暖房機なのか確認しましょう。換気扇から換気乾燥暖房機への交換の場合、器具取付面の開口を大きくするなどの工事を必要とする場合があります。そして設置されている場所が壁なのか天井なのかも確認しましょう。

同じサイズのものや、同じメーカーのものであれば、大がかりな工事を必要とせず、費用を抑えられるかもしれません。

2.分電盤に空きがあるか

自宅のブレーカーを確認し分電盤の空きを確認しましょう。空きがない場合、増設する必要があります。そして、100Vタイプからよりハイパワーな200Vにする際にも容量変更や増設を必要とする場合があります。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)を設置・後付けする費用

本体費用はもちろんですが、浴室暖房を設置・後付けする費用は、主に設置方法や自宅の浴室のタイプによって変わります。

設置工事をする際の、器具設置面の加工、排気ダクト交換、分電盤関連の電気工事などの工事の要否によって費用が変動します。

また、換気扇と照明の位置、換気口の場所によっては、浴室暖房の設置・後付けができない場合もあるので注意が必要です。

LIXILでは、浴室暖房の設置・後付けをしたい方向けのサービスとして、現地調査から取付工事、アフターサービスまで全て込みで119,000円(2023年7月時点)から対応しています。浴室暖房の設置・後付けをお考えの方は、下のページから詳細をご覧ください。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)でかかる電気代は?

浴室暖房にかかる電気代の目安を、以下の表にまとめました。

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機能 消費電力 ※1時間あたり 電気代(1時間運転)
24時間換気 11W 約0.3円(1ヶ月で約221円)
標準換気 17W 約0.5円
弱暖房 1180W 約32円
強暖房 1250W 約34円
標準乾燥 1190W 約32円
  • INAX/LIXIL 換気乾燥暖房機「UFD-111A」を使用した場合の参考数値 (実際の使用環境により若干変動します)

電気料金は、一般的に目安として使われている「27円/kWh」で計算しています。

利用している電気会社の電力量料金と、検討している浴室暖房の消費電力(W)の値が分かれば、大まかな電気料金の算出が可能です。

ご自身で電気代を概算したい場合は、計算式「消費電力(kW)×1時間(h)×電力量料金(円)=1時間あたりの電気代(円)」に当てはめてみましょう。ちなみにkWは、「W÷1,000」で算出できます。
上の表にある弱暖房機能を例にすると、「1.180(消費電力〔kW〕)×1(時間〔h〕)×27(電力量料金〔円〕)=31.86円(1時間あたり)」となります。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)のお手入れ・掃除方法

浴室暖房による日々の電気料金を下げたい場合は、定期的にフィルターを掃除しましょう。

フィルターが汚れている場合、運転効率が悪くなることがあります。運転効率が悪くなると、浴室乾燥や衣類乾燥のために稼働させる時間を長くする必要があり、電気代が高くなることが予想されます。

定期的に掃除をして清潔な状態にしておくことで、電気代を抑えることに繋がるでしょう。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)のお手入れ・掃除方法

浴室暖房のお手入れ方法、掃除方法を紹介します。

  1. 運転を停止する
  2. 分電盤のブレーカーを切る
  3. 浴室暖房のフィルターを取り出す
  4. フィルターに付着したほこりを掃除機で吸い取る
  5. ぬるま湯に浸し固く絞った布で、フロントカバーやリモコンの汚れを取る

掃除をした後は、フィルターを取り付け、フロントカバーをかぶせて終了です。分電盤のブレーカーを元通りにします。

汚れが目立ってきたときは上と同じ手順でフィルターを外し、中性洗剤を利用して、フィルターやフロントカバーを洗いましょう。中性洗剤が残らないよう、念入りに洗い流してください。

浴室暖房のお手入れ・掃除の適切な頻度

浴室暖房のお手入れは、1ヶ月に1回を目安に行いましょう。1ヶ月に1回のお手入れでは、布とぬるま湯を使って掃除をします。
汚れが目立ってきた場合に、中性洗剤を使い汚れを取り除きます。

浴室暖房(浴室換気乾燥暖房機)の設置に向いている家庭の例

浴室暖房の設置に向いている家庭の例を紹介します。特にヒートショックを起こすリスクの高い高齢者がいるご家庭は、浴室暖房の設置を前向きに検討しましょう。

冬の浴室や脱衣所の寒さが気になる家庭

冬場の浴室や脱衣所の寒さが気になる家庭は、浴室暖房の設置をすることで快適なバスタイムを過ごすことができます。

自宅の場所や環境によっては、冬場でなくてもヒンヤリとした室温になってしまうこともあるでしょう。

浴室暖房を設置することで、寒い日も億劫な気持ちになることなくお風呂に入れます。

家族の中にヒートショックを起こしやすい方がいる家庭

ヒートショックを起こすリスクが高い人がご家庭にいる場合も、浴室暖房の設置を検討することがおすすめです。ヒートショックを起こしやすい人の例を、以下にまとめました。

  1. ご年配の方がいる
  2. 高血圧、糖尿病、動脈硬化の持病持ち
  3. 不整脈
  4. 肥満気味

上記に当てはまるご家族がいる場合は、ヒートショックの予防のために、浴室暖房の設置を検討しましょう。

まとめ

浴室暖房とは、浴室を暖める機能が搭載された器具のことです。浴室全体を暖めることで、冬場のお風呂が快適になったり、ヒートショックの予防ができたりと、さまざまなメリットを得られます。

ただし浴室暖房を設置する費用は、自宅の浴室環境、浴室暖房本体の機能、暖め方のタイプ、設置方法により大きく変わります。また取り付けが可能な環境か調べることも、自分ひとりの力では難しいです。

LIXILでは、現地調査からお見積もりまで無料で行っています。また、アフターメンテナンスも一貫して行っているので、初めての設置や交換でも安心できるでしょう。

浴室暖房の設置を検討している場合は、お気軽にお問い合わせください。

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