風呂釜の洗浄方法を、1つ穴・2つ穴のタイプ別にご紹介!
風呂釜の汚れの原因や予防方法まで解説

風呂釜が汚れてしまうと、湯船にフワフワと浮遊するカスのような汚れが浮いていたり、なんとなく嫌な匂いがしたりなど、せっかくのお風呂の時間なのに気分がよくありませんよね。

また、様々な菌が繁殖し、お風呂のお湯が不衛生になってしまうこともあります。そんな状態を防ぐためにも、風呂釜の洗浄を定期的に行いましょう。

本記事では、風呂釜の洗浄方法から、風呂釜の汚れの原因、予防方法まで徹底解説します。

お風呂の風呂釜とは?

風呂釜仕組み

風呂釜とは、「浴槽のお湯を沸かすための装置」のことを指します。主に、お風呂のお湯を温め直す「追い焚き」をするときに使われます。

風呂釜には「もともと浴槽に溜まっているお湯(水)を吸い込んで、給湯器内部で温めてから浴槽に戻す」という機能があります。

■風呂釜の仕組み【1つ穴・2つ穴のタイプ別】

風呂釜の1つ穴・2つ穴それぞれの仕組み

一般的なお風呂の風呂釜には、お湯の吸い込みと吐き出しが同じ穴である1つ穴タイプと、役割が別々になった2つ穴タイプの、2つの種類があります。

風呂釜洗浄をする際は、1つ穴タイプには1つ穴用の風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)、2つ穴タイプには2つ穴用の風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)を使用しましょう。


風呂釜が汚れる原因

風呂釜汚れ

風呂釜はどうして汚れてしまうのでしょうか。

  • 皮脂汚れ
  • 水垢
  • 入浴剤(バスソルト・バスオイル)
  • 一晩置いたお湯

ここからは上記4つの原因を、それぞれ詳しく解説していきます。

■皮脂汚れ

風呂釜の汚れで最も割合が大きいと考えられるのが、皮脂汚れです。

皮膚や体毛に付着した皮脂汚れがお風呂に入った際に浴槽の湯の中に漂い、それが配管内に入り込んで汚れとして蓄積されてしまいます。

■水垢

お風呂のお湯を溜める際に用いる、水道水。

水道水の成分には、カルシウムなどの様々なミネラルが入っています。水分が蒸発した際に、それらのミネラルが乾燥して固まると水垢として出現します。

その水垢も風呂釜の汚れの原因となるものの一つです。

■入浴剤(バスソルト・バスオイル)

お風呂に入る時、入浴剤(バスソルトやバスオイルなど)を入れる方も多いのではないでしょうか。

それらの入浴剤も風呂釜を汚す原因の一つです。

バスソルトは塩を含むので、配管内の金属を錆びさせてしまい、剥がれた錆が汚れにつながる可能性もあります。

また、バスオイルは油分なので、他の汚れとともに配管の壁に付着しやすく、それがまた湯船に吐き出されることもあります。

■一晩置いたお湯

衛生微生物研究センターの調査(*)によると、入浴後一晩放置した風呂水では、細菌数が数十万個から数百万個になるという結果が出ています。

その数は、入浴する人の数などにもよりますが、お風呂にお湯を入れた直後よりも、数千倍にもなると言われています。

細菌だらけになってしまったお湯を再度沸かすとなると、風呂釜の配管にも細菌が多く繁殖することになってしまうのです。

(*) 引用元:株式会社 衛生微生物研究センター ホームページ 身近な微生物/お風呂の残り湯は使ってもよい? 2021


風呂釜が汚れているときのサイン4つ

風呂釜汚れのサイン

実際に、風呂釜を洗浄すべきタイミングだと判断するには、どういった現状が起きた時なのでしょうか。

  • フワフワとした汚れが出てくる
  • お湯が臭い
  • お湯の色が濁っている
  • お湯にぬめりがある

ここからは、上記4つの風呂釜が汚れているときのサインについて、それぞれ詳しく解説していきます。

■フワフワとした汚れが出てくる

風呂釜を洗浄せずに放置すると、菌や汚れが溜まることがあります。

その菌や汚れが排水とともに出てきてしまった結果、お風呂のお湯に白色や茶色のフワフワとした浮遊物が浮いてきます。

このフワフワとした汚れはバイオフィルムと呼ばれていて、風呂釜の配管内に付着した皮脂汚れをエサに細菌が増殖した固まりのようなもので、風呂釜が汚れているときによくみられます。

■お湯が臭い

追い焚きをしたお湯から嫌な臭いがしたときも、風呂釜が汚れているサイン。

嫌な臭いの原因は、風呂釜の汚れの原因である、皮脂や垢、細菌や入浴剤の成分など様々なものが蓄積されて臭いを放つと考えられています。

■お湯の色が濁っている

浴槽のお湯の色に異変を感じたら、こちらも風呂釜の汚れが出てきてしまっているからと考えられます。

ただし、追い焚き後の白く濁ったお湯がしばらく経って透明に戻るなら、加熱された時に発生する気泡が要因の可能性もあるので、よく見極めましょう。

■お湯にぬめりがある

お風呂のお湯にぬめりを感じる場合は、先ほど紹介したバイオフィルムなどの菌や汚れが原因になっているかもしれません。

湯張りでは新しいお湯を足していますが、追い焚きはお風呂のお湯を循環させているだけで、新しいお湯を足してるわけではありません。

そして、身体から出た皮脂や雑菌がお湯と共に流れるため、風呂釜の配管内部に汚れが付着していきます。

これらの汚れは、身体を洗ってからお風呂に入っていたとしても、完全に防ぐことは難しいです。

上記4つのような風呂釜が汚れているときのサインが見られる場合は、配管洗浄剤を用いて配管内部の清掃をする必要があります。


風呂釜の洗浄はどれくらいの頻度ですればいい?

風呂釜洗浄

風呂釜の掃除頻度は、1つ穴・2つ穴のどちらのタイプでも1ヶ月に1度が望ましいです。

特に2つ穴タイプは、1つ穴タイプと比べて水の流れが遅く、その分汚れが溜まりやすいので、欠かさずに風呂釜洗浄をしておきましょう。

ただし、これらの回数は掃除頻度はあくまで目安です。入浴頻度や、お風呂に入る人数が多いなど、風呂釜の汚れは使用頻度によって変わるので、追い焚きをした後にお湯に異変を感じたら、洗浄をしてみてくださいね。


風呂釜の洗浄方法【1つ穴・2つ穴のタイプ別】

風呂釜洗浄

ここからは、1つ穴タイプ・2つ穴タイプのタイプ別に、風呂釜の洗浄方法をご紹介します。

ご自宅の風呂釜のタイプを確認し、それぞれに合った洗浄方法で行ってください。

■1つ穴タイプの風呂釜の洗浄方法

1つ穴タイプの風呂釜は、主につけ置きと追い焚きをして洗浄しましょう。
【掃除用具・洗浄剤】

洗浄時に準備するものは以下です。

  • 1つ穴用の風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)
  • ゴム手袋
  • スポンジ

1つ穴用の風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)は、「LIXILストア」でも購入が可能です。

配管洗浄剤には、皮脂汚れを落とし、お湯の中の菌を除菌する成分が含まれているため、風呂釜洗浄に効果的です。

※全ての菌を除菌するものではありません。

この時、お湯(約40℃)を用いるとなお良いです。洗浄方法は、浴槽に湯水を張り、洗浄剤を入れ、追い焚きをします。その後、漬け置きし、排水、濯ぎ、という流れになります。

そして配管洗浄剤でおすすめなのが、システムバスを開発しているLIXILが企画・監修した配管洗浄剤です。
配管洗浄剤

風呂釜の内部配管を清掃すると、

  • 浴槽内にフワフワとした汚れが出てくることがなくなる
  • 綺麗なお湯に入れて、心身ともにリラックスできる
  • 小さなお子様との入浴時も、お湯が綺麗だと安心

などのメリットを得ることができます。

洗浄剤の主成分は過炭酸ナトリウムで、風呂釜の主な汚れであるバイオフィルムの洗浄に適しています。

なんといってもお風呂を開発製造しているLIXILが企画・監修しているのが強みで、実際の浴槽機器の内部を確認しながら洗浄効果を評価しています。浴槽やその周辺の素材に対する影響も確認しているので、安心してご利用いただけます。

もちろん洗浄後の湯水は、そのまま浴槽から排水しても問題ありません。

・LIXILの風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)、ATPふき取り検査(A3法)での結果

ATPふき取り検査(A3法)とは、洗浄場所の洗浄ができたかを、数値によって確認できる検査方法です。

数値が少ないほど汚れが少ないことを意味します。

洗浄前 洗浄後(減少率)
モニターA邸  5,714   9(-99.8%)
モニターB邸 48,282 607(-98.7%)
モニターC邸  7,563  11(-99.9%)
モニターD邸 27,440  65(-99.8%)

※洗浄前・後の数値はアクアフィール噴射吸込口内部の3ヶ所を拭き取った値の平均値です。
※表の洗浄後のカッコ( )内の数値は、洗浄前と比べての減少率です。
※単位:RLU

・LIXILの風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)による菌数低減効果

菌数低減効果

LIXILの風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)は、風呂釜内の菌数を大きく減らす効果があります。

純粋培養した菌Aを含む菌液に、LIXILの風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)を添加し、15分間攪拌し1時間放置したところ、99.99%以上の菌数低減効果を確認しました。

※効果はご使用環境やご使用方法により異なります。

・LIXILの風呂釜洗浄剤(配管洗浄剤)の仕様

液性:弱アルカリ性
成分:過炭酸ナトリウム、界面活性剤[0.1%、高級アルコール系(非イオン)]、キレート剤、アルカリ剤、漂白活性化剤、除菌剤、酵素

主な成分 期待効果
過炭酸ナトリウム 活性酸素の酸化力による汚れやぬめりの分解や除菌効果と酸素の発泡により汚れを浮かせる効果が期待できます。
界面活性剤 付着している汚れを浮き上がらせる効果が期待できます。
キレート剤 水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンによる洗浄力の低下防止が期待できます。

※全ての菌を除菌するものではありません
※汚れの程度や用法によって効果に差が生じます
※湿度の高くない場所で保管して下さい
※製造年月から3年間以内を目安にお使い下さい。

【風呂釜の洗浄手順】

風呂釜洗浄の際は、必ずゴム手袋をつけて行いましょう。

①給水口の穴の約5cm上まで水を張る
②洗浄剤を投入する
③40~42℃に設定し、追い焚きをする
④1時間放置し、つけ置きする
⑤再び5分ほど追い焚きをする
⑥溜まっていたお湯を排水する
⑦再び水を溜めて5分ほど追い焚きする
⑧風呂釜のフィルターをスポンジで掃除する

・LIXIL「スパージュ」のアクアフィールとジェットバスの洗浄方法

LIXIL「スパージュ」のアクアフィールも一つ穴タイプの風呂釜と同様の方法で洗浄ができます。

浴槽に湯水を張り、洗浄剤を入れ、アクアフィールや風呂釜(追い焚き)を動かして風呂釜洗浄をします。その後も同じく、漬け置きし、排水、濯ぎ、という流れです。

スパージュの取扱説明書と、循環口・循環配管やジェットバスのお手入れ動画を以下にご紹介いたします。

2つ穴タイプの風呂釜の洗浄方法

2つ穴タイプの風呂釜洗浄は、主に水圧で洗浄しましょう。

①風呂釜にフィルターが付いているときは2つとも外しておく
②上の方の穴から、用法・用量通りの洗浄剤を投入する
③上の方の穴から、シャワーで水を勢いよく流し込む
④汚れや洗剤が出なくなるまで、しっかりと配管内をすすぐ

すすぎが終わり次第フィルターをはめ直せば、2つ穴タイプの風呂釜洗浄は完了です。


風呂釜の汚れを予防する方法

ここまでは風呂釜の汚れの原因や洗浄方法をご紹介しましたが、なるべく風呂釜を綺麗に保ちつつ、汚れを予防する方法としては、以下の方法があります。 

  • 浴槽をこまめに掃除する
  • 定期的に重曹風呂に入って、風呂釜をきれいにする

それでは、それぞれ見ていきましょう。

■浴槽をこまめに掃除する

浴槽の汚れが風呂釜の汚れに繋がるので、普段から浴槽を綺麗にしておくことで、風呂釜の汚れを予防できます。

■定期的に重曹風呂に入って、風呂釜をきれいにする

重曹は、アルカリ性なので酸性の湯垢をつきにくくする作用があります。

湯垢は入浴後にお湯を流しても浴槽に付着して残ってしまい、その浴槽のままお湯を溜めて追い焚きをすると風呂釜の汚れにつながってしまいます。

そのため、重曹の作用でお湯と一緒に流してしまえれば、風呂釜の汚れの防止につながります。

また、重曹には体を温める効果があるので、一石二鳥です。


風呂釜の汚れがひどくて、自分で解決できない場合はどうすればいい?

自分でできる風呂釜の洗浄方法をご紹介してきましたが、以下のような症状の場合は、一度業者に依頼し、洗浄をしてもらうこともおすすめします。

■目安としては、黒や緑の汚れが出てきたとき

お風呂のお湯を追い焚きした時に、黒や緑の汚れが出てきたときは、風呂釜の汚れがとても深刻であることが考えられます。

市販の洗浄剤を使用して、洗浄してみても、なかなかその症状が改善されない場合もあります。

■風呂釜洗浄を業者に依頼する

上記のような症状が出てしまったときは、迷わず専門の業者に相談してみることをおすすめします。

風呂釜洗浄を業者に依頼する場合にかかる費用の相場

専門の業者に依頼した際、洗浄にかかる費用の相場は1万円〜2万円くらいと言われています。

業者や内容によって金額は異なりますので、まずはご相談の上見積もりをしてもらいましょう。


風呂釜を交換する

風呂釜を使用して10年以上など長い時間が経つ、業者に依頼しても症状が改善されない、といったようなさらに深刻な場合は、風呂釜自体を交換した方が良いかもしれません。

風呂釜の交換にかかる費用の相場

風呂釜を交換する際に必要な費用は約10万円〜と言われています。

こちらも風呂釜の種類や作業内容などによって変動しますので、実際に交換される際は、業者に直接見積もりを出してもらうことをおすすめします。


まとめ

お風呂のお湯はいつも清潔に保ちたいものですよね。

こまめに浴槽を洗浄していても、風呂釜の汚れはどうしても防ぎ切ることは難しいです。

ご自宅の風呂釜のタイプに合わせ、定期的に洗浄を行って、快適な入浴時間を送ってくださいね。